- 2016年春闘勝利学習総決起集会が2月4日エル大阪南館で開催され、63人が参加しました。講師は神戸女学院大学・石川康宏教授。
その内容を紹介します。
昨年9月19日に強行採決された安保関連法をめぐって立憲主義と言う言葉が国民の中に入ってきた、新しい条件が入っている。平和を守れ、9条守れ、憲法に基づいた政治を行えという「立憲主義」。9条だけでなく、25条生存権、27条28条の労働権も含まれている。
25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」この権利は誰が守るのか、第2項「国は、すべての生活部面において・・・努めなければならない」と書いてある。いくら働いても食えない労働者が放置されるのはおかしくないか、と言うこと。
憲法27条「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」失業者を放置してはいけないと言うこと。第2項「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」これは当然25条の定める「健康で文化的な最低限度の生活」水準を守ることを前提とした基準。しかし今はそうなっていない。まじめに働いても食べていけないような労働条件を放置しているのは政府の責任放棄であり憲法違反だと言えるようになってきた。平和を守ろう、憲法を守ろうと言う運動に、皆さんの春闘は労働権・生存権を守らせると言うことを掲げ、合流させよう。
日本経済がうまくいってないというのは政府の資料でも明らか。国民が物を買う能力がない中、景気が良くなるわけがない。買う力がいっぱいあるぞ、という高度経済成長期は給料がいっぱい上がった。上がったから史上まれに見る経済成長をした。モノを作る量も毎年上がった。1973年、賃金が30%上がった。どうやって賃金を上げたかというとストライキです。労働組合が徹底的に闘った。73年はストライキが戦後最も多かった年。
だから財界は春闘をつぶそうと、闘う労働組合を分断した。連合と全労連に引き裂いた。労働組合の加入率を下げるよう動いた。給料上げてくれ、という力が弱くなったので経済はむしろダメになった。消費力が無くなったから。そこをひっくり返すんだから国民の消費力を高める政策をとるしかない。平和だけでなく経済の改善をどう盛り込んでいくかということが労働組合運動の今後の腕の見せ所になっていく。
(2面へ)
石川氏は、憲法の歴史や自民党の憲法改正草案、貧困問題、安保法の闘いでの若者や高校生たちの運動と情報発信などにも話が及びました。そして「21世紀の新しい局面でこれまでの経験主義は通用しない。しっかり新しい社会の状況を勉強し、その状況に見合った春闘の活動、労働運動を」と呼びかけました。