- 2017年春闘で要求に確信を持ち元気に闘うために、2月2日グリーン会館で春闘勝利学習決起集会が開催されました。春闘をめぐる社会の動きについて石川康宏神戸女学院大教授が講演しました。
まともな労働組合の出番
「ブラック企業やブラックバイトが自分や家族、友人など身近な問題になってきた。今こそまともな労働組合の出番」と切り出した石川氏。春闘は賃金問題と思われがちだが、よりよい社会を実現する糸口を作る闘いでもあるとして、いまの政治と社会の状況を詳しく解説しました。
その切り口は「子どもの貧困」から。どの子にも貧困の責任は無いと全国に広がる(広がざるを得ない)子ども食堂。「個人の尊厳」を国が守る(生存権、教育権、勤労権ほか)と明記した憲法を変え、家族や社会にのみ責任を負わせ、天皇を元首と戴き、戦争放棄の大原則も削除する自民党改憲草案の危険性に話が進みました。
政治の危機は「とうげ」
改憲勢力が衆参で3分の2議席を確保し、改憲強行が可能な情勢。この「政治の危機」について、「危機=Crisisは分岐点、とうげという意味もある」と解説。重病患者について「今夜がとうげですね」とはそれを越えれば快方に、だめなら…という分岐点。つまり、安倍政権が戦争する国づくりに進む一方でそれを跳ね返す市民と野党の共闘が大きく流れを変える分岐点ととらえよう。9条の会や原発ゼロ、戦争法反対等々全国で市民運動が進み野党共闘が広がっている。自民党は「連合」を使って民進党を共闘から離そうとしているが、労働組合は連合だけじゃない、まともな労働組合がここにある!と打って出れば歓迎される情勢。労働組合の原則「資本からの独立」「政党からの独立」「共通の要求にもとづく行動の統一」に基づき市民と野党の共闘を発展させよう。社会をどう変えるかしっかり学び、自分で考え、SNSなどを活用し自分の言葉で語っていこうと呼びかけました。